バンクーバーは雨降り

諸事情あって数日間、バンクーバーで過ごした。

わたしは色々な場所に興味があるものの、近年はもっぱら中央アジアあるいは地中海世界中心の、要はユーラシア大陸にばかり目線を向けているので、正直バンクーバーという街に殊更の興味を持ったことはなかった。

だがバンクーバーで過ごした数日間はとても印象深いものであり、当然のように、とても単純な「訪れたことのない場所に足を運ぶのはとても興味深いな」という感想に帰結する。

 

 

さて、バンクーバーでは現地で暮らす友人に誘われるままにバンクーバー・クール・プレイスを巡っていただけなので、あまり写真がない。食べ物の写真の方が多くて、これはわたしにとっては結構珍しいことだ(いつも写真を撮る前に我慢できなくて食べてしまう)。

そしてまた事前に書いておきますが、語彙が貧弱なので以降「美味しい」と「おシャン」が頻出します。

 

 

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友人の家に泊まらせてもらったのだが、到着後、ウェルカムドリンクと共にでてきたおつまみ。おシャン……。

ちなみにこのオリーブは今まで食べたオリーブの中で一番美味しくて、売っている場所(近くの普通のスーパー)を教えてもらって買って帰った。

 

このつまみを皮切りに、この後怒涛のようにシャレたところに連れて行かれる。

 

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おシャンすぎるメキシコ料理店である。異様に美味しい。異様に美味しい、と思ったあとに気づいたのだがここはベジタリアン料理しか無い。

でもそんなこと気づかないほど、美味しかった。特にこの……写真に写っている……なんだかわからない食べ物……。

店内のアートもとても素敵、店員さんも親切で、お店の雰囲気もムードたっぷり。

▶ bandidas

 

 

これはレバノン料理屋さんで食べたカリフラワーの揚げ物。めちゃめちゃ美味しかった。カリフラワーってこんなに美味しいものなんだ、と初めて思った。

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ここもカリフラワーの写真しかなくて全く伝わらないであろうが、非常におシャンな雰囲気であった。

そして当然のようにベジ・メニューが中心。

後から調べて分かったのだが、バンクーバーはとてもベジタリアン・フレンドリーな都市で、「ベジタリアン向け」料理が当然のようにあるお店が他の都市に比べて多いそうな。

nuba  cafe *わたしが行ったのはMount Pleasant店。

 

 

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キツラノ海岸。

滞在中、バンクーバーはずっと雨だった。本当にずっと。晴れ間を見たのは到着した日の昼だけだった。

バンクーバーを愛する友人は、この厚い霧と雲の向こうにある、美しい山々を見せられなくて本当に残念だと10回以上言った。

こんなに雨が続くのは珍しいことだそうな。

 

 

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バンクーバーではマイクロブルワリーが流行っているらしく、いくつかハシゴしたのも面白かった。

マイクロブルワリーと言うのは、要は小さなビール醸造所で、大抵その場でそこで作ったビールを飲めるようになっている。

上の写真は ▶Doan’s Craft Brewing Company という本当にこじんまりとした小さなお店。こうやってテイスティングできる。どれも美味しい。

 

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こちらの店、▶Strange Fellows Brewing Company はさっきのところより少し大きめ。この左の方のカウンターの前はガラス張りになっていて、中で醸造しているのが見えてとても楽しそう。

あとビール美味しい。もうなんでも美味しい……。

 

 

パシフィック・スピリット・リージョナル・パークで散歩もした。

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森の小さな神様。

こんなに広くて豊かな森が街のすぐ近くにあるのは素敵なことだ。

大きな犬たちが散歩をしているのを何度となく見かけた。彼らはとても興奮していて、みるからに幸せそうだった。

 

 

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これはたぶん地元の人にも観光客にも大人気のグランビル・アイランド内のマーケット。

海岸沿い、グランビル・ブリッジの下にある元工業地帯にできた、パブリックマーケットやらレストランやらギャラリーやら大学やら、色々なものがあるスポット。とても賑わっている。

 

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そうそう、ベジ・メニューと言えばこのベジタリアン用のピザ屋さんはとても人気で長蛇の列だった。

しかも例によって非常におシャン。(この写真は不幸なアクシデントによりゴミ箱カウンターの上でピザを食べようとしているところですが、その後無事に座れました)

複雑な味わいで美味しかったです。

ちなみにわたしがこのお店で一番気に入ったのは、ウォーターサーバーの下の受け皿のところでキレイな苔を栽培していたところです。ナイスアイディア。

Virtuous Pie

 

さて、初日から友人に「◯日の夜はドーサ・ナイトだから!!WHOOOO!!」と言われて「ドーサ???」となっていたわたしですが、皆さんはドーサをご存知ですか?

これです。

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これがドーサです。この中になんか、具が入っている。

具は選ぶことができて、肉とか海鮮とか野菜とか卵とかチーズとか組み合わせは無限にある。

要はこのインド料理屋さんは週1で「ドーサ・ナイト」なる、ドーサが全部半額(6,7ドルくらい)で食べれるイベントをやっているらしくて、この日もすごい盛況っぷりでした。

わたしはほうれん草とチーズのドーサを頼んだのですが、なぜかわたしのだけ三角形でした。なぜ……。

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ちなみにこれも、すごく美味しかったです。どうやら東京でも食べるインド料理屋さんがありそうなので、今度食べてみようと思う。

ただ見て分かる通り、えらくボリューミーなのでわたしも夫も食べきれず、テイクアウトして次の日の朝食に食べました。

 

合間をぬってバンクーバー・アートギャラリーにも訪れた。

エミリー・カーの絵が見たかったので。

これはDavid Lamという香港系の方が1970年代に描いたバンクーバーの絵。とても印象に残った。

良い絵はいとも簡単に時間を飛び越える。

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彼らおすすめの、チャイナタウンにあるドイツ・バーで食べたソーセージ。

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すごく美味しい。ここでも当然ベジ・メニューがある(ベジ・ソーセージも!)。

Bestie

 

 

バンクーバーには、確かに、何か色々なものがやわらかく溶け合ってできている街だという感覚があった。

それは大きなくくりの、例えば文化、とか人種、みたいなものであったり、あるいはもっと小さな、人と人とのつながりのようなものかもしれなかった。

人種の坩堝の代名詞のように言われるニューヨークだって、もちろんその「混じり合い」には強烈なものがあるのだけれど、バンクーバーの混じり合いはニューヨークのそれよりもっとやわらかく、静かなのだ。

ニューヨークが油絵の具ならば、バンクーバーは水彩絵の具。ゆっくり溶け合って、絶え間なく美しい色を作り出していく。

そう思ったのは、しとしと降り続いていたやさしい雨のせいかもしれない。

(ところでアイスランドの続きがどうなったのかについては聞かないでください……そのうち……そのうち……)