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このブログで紹介した本や、関連する本の紹介をします。

 

■トルコの歴史を学ぶ本

*オスマントルコに偏っています。そして歴史に関係のないものも混じっています。イスラーム全般についての本はまた折りを見てまとめる予定。

オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)

わたしがオスマントルコ好きになったきっかけの本。とても読みやすく、かなりおすすめ。図絵も興味深い。
が、「あまりにも良く書かれ過ぎ(オスマン帝国の悪いところに触れられていない)」という批判もあることを念頭に入れておかなければならない。
シナン〈上〉 (中公文庫)

オスマン帝国最大の建築家、シナンの想像伝記。シナンはもちろん、スレイマン(オスマン帝国最盛期の皇帝)とイブラヒム(スレイマンの側近)がメインになっていてとっても面白く読めると思う。時代背景などもよく分かると思います。というか夢枕獏なので面白いです、普通に……。
(リンクは上巻だけですが、もちろん下巻まで面白いです。 )
オスマン帝国500年の平和 (興亡の世界史)

オスマン帝国通史を中心に、政治体制はもちろん文化面の紹介などもしていて、とても楽しく読める本。分かりやすく丁寧に書かれているので、オスマントルコについての歴史を知りたい!けどあんまり小難しいのは苦手という方には、この本か2個上の「オスマン帝国」のどちらかがおすすめ。
オスマンVS.ヨーロッパ (講談社選書メチエ)

ヨーロッパとの関わりを中心にオスマン帝国を描いていて、とても分かりやすい本。これも入門として良いです。ウィーン包囲などについて、ヨーロッパ・オスマン両方の視点から描かれていてとても捉えやすいと思う。ヨーロッパ側にも興味があるという方にはこの本はかなりおすすめ。
スレイマン大帝とその時代 (イスラーム文化叢書)

タイトル通り。スレイマンについて非常に詳しく書いてある本。 でも時代背景も分かるので楽しいと思います。
オスマン帝国の権力とエリート

上の本と同じく、スレイマン時代中心に官吏体制について詳しく研究成果が書かれている。個人的にはとても面白い。
コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

塩野女史の描いたコンスタンティノープルの陥落。コンスタンティノープルの陥落については詳しく書かれているし、時代背景も分かるので、イスタンブールに行くなら読んでおきたい感じはする。ただ、塩野さんにしてはやや読みにくさがあるかもしれない。タイトルからして分かるかもしれないけれども、いけいけオスマントルコというよりはビザンツ帝国の哀愁……という読後感。
トルコのもう一つの顔 (中公新書)

これはオスマン帝国時代ではなく、現代のトルコの諸問題を生々しく抉った本で、非常に面白いです。今トルコはIS問題を契機にクルド人問題も再燃し、激しく揺れていますが、その原因が分かります。トルコの諸問題は大抵オスマン帝国末期あるいは崩壊したところに端を発するので、オスマン帝国本を読んだら是非こちらも読むといいのではないかと思います。
わたしの名は赤〔新訳版〕 (上) (ハヤカワepi文庫)

トルコ人のノーベル賞作家オルハン・パムクが、16世紀のオスマン帝国を舞台に、細密画家(と殺人事件)を描いた物語。新訳になって読みやすくなったとは言え、独特な雰囲気なので、読む人は選ぶかもしれない。オスマン帝国の雰囲気や、いかに細密画家が重宝されたかなどが分かる。個人的には、なんとなく千夜一夜物語風味な気がする。
ちなみにトルコの本屋ではオルハン・パムクの本がやたら積んであった。
三日月(クレセント)の世紀―「大航海時代」のトルコ、イラン、インド (新潮選書)

オスマントルコとサファヴィー(イラン)、ムガル(インド) に焦点をあてた(一部の人にとって)素晴らしい本(トルコメインではありません)。わたしは大好き。西欧がブイブイ言わせていたと思われている大航海時代の別の側面を見せてくれる。
古い本ですが分かりやすいです。