どこに行くの、という問いに「アイスランド」と答えると、大抵少しの沈黙が訪れた。
「アイスランド……」
そう、アイスランド。アイルランドとよく間違われる(実際二度ほど間違われた)。
旅の途中で、夫に「いつからアイスランドに行きたいと思っていたの」と聞かれたけれど、実は自分でもよく分かっていない。
ビョークやシガーロス経由で憧れ始めたのか、それともわたしがいつからか漠然と持っている、極北地域への憧れの一部なのか。たぶん後者のような気がする。
そういうわけで、8月末から9月初旬にかけて、アイスランドに行ってきた。
直行便は無いので、デンマークのコペンハーゲン空港経由である。
コペンハーゲン空港はわたしが訳の分からない憧れを持っている空港で(たぶんデザインとか、音楽とか諸々経由で)、贔屓目で見て大変おしゃれな空港だった。
ほら、見て! ポール・クリスチャンセンのめちゃかわいいカートです! ミーハー一心で写真を撮った。
ただ、重々分かってはいたことだが、この時点で北欧の物価の高さに胃が痛み始める。
何を食べたらいいか全く分からず(何もかもが高すぎるので)、混乱のうちに巨大なピザと巨大なサラダを食べた。油のせいでますます胃が痛くなり始めた。
成田からコペンハーゲンが約11時間半程度、コペンハーゲンからアイスランドはケフラヴィーク空港までは約3時間である。
夕日に照らされて茜色に染まった大量の羊の群れのような雲の上を飛び続け、現地時間21時すぎ、アイスランドの土地を踏んだ。
これがその時の写真。
ただの夕焼けだけれども、圧倒的である。この星の「昼」をそっくりそのまま剥いで引き揚げていくような、暴力的な強さがある。
同じ星だとは思えないような、土地にきた。そう思った。
ケフラヴィーク国際空港は、首都レイキャビクとはそこそこ離れている。バスで45分ほどだろうか。
空港で、あらかじめ予約していたflybusというバスのカウンターに行ってチケットを貰い、バスに乗り込む。
このバスはレイキャビク市内の主要ホテルに送り届けてくれる(ただしレイキャビク市内のBSIバスターミナルというところで各方面に向かう小型バスに乗り換える)のでとても便利である。
わたし達は物価の高さにドン引きしてまたしてもホテルではなくairbnb泊なのだが、住所を伝えればすぐ近くのホテル(小さなペンション)まで送ってくれた。
ホストと挨拶して、お土産を渡して、お風呂に入って寝る……のだが、ここで嬉しい事件が。
お風呂が、温泉。
お風呂っていうか、全ての蛇口から出るお湯がしっかり硫黄臭のする温泉である。
我が家は二人共(特に夫)お風呂大好きなので、今回もバスタブのあるお家を選んでいたのだが、本当に正しい選択をしていたということだ。
バスタブで! 温泉!!! 気持ちいい!!!!
そんなわけで大変気持ちよく寝ることができました。
追記。
スカンジナビア航空の機内食のレンズ豆のサラダは美味しかったです。