先日、三度目の台湾に行ってきた。
一度目は台北観光、二度目は台北で知人の結婚式。
二度の訪台で、すっかり台湾が好きになった。なにせ食べ物が美味しい。旅行もしやすい。人もあたたかい。
今回、基本的には台北でお仕事だったのだけれど、どうしても行きたかったので週末は台南まで足を伸ばした。
台南には台湾高速鉄道(台湾の新幹線)で、約1時間半強。乗る電車によっては2時間半ほどかかる。
わたしはこの新幹線に乗るのをめちゃめちゃ楽しみにしていた。理由はこれ。
どーん! 駅弁!
台湾の駅弁、臺鐵便當。これが美味しいと聞いて、駅弁好きとしては絶対に食べてみたかったのだ。
こちらの記事を参考にして台北駅で駅弁屋さんに直行。
新幹線に乗るとしばらくトンネルが続いたので、地上に出ていい風景が見えるようになってから食べ始めました。
白ご飯のお弁当(+漬物っぽい小さなおかずがちょっと多い)と、味付きご飯のお弁当と両方買ったのですが、どちらもとてもおいしい◎
新幹線の台南駅と普通鉄道の台南駅・台南市内は結構離れているのでタクシーで移動。台湾はタクシーが激安で本当に助かります。
(ただ台北はどこにいてもタクシーが捕まる!という状態なのに比べ、台南は流しのタクシーが少ないので要注意。)
一度ホテルに荷物を置いてからさっそく台南街歩きへ。
なお最初に断っておくけれど、台南では基本食べあるきしかしていません。
まずはこれ、矮仔成蝦仁飯の蝦仁飯を食べに。
蝦仁飯は簡単に言うと海老の炊き込みご飯だけれど、出汁の汁っけがあって、少しお茶漬けっぽい。
美味しい!
台湾の屋台飯は安くて、おいしくて、量が少なめなのが最高。色んな種類が食べれるし……ハシゴもできるし……。
しかし日本に帰ってきてから、蝦仁飯は鴨卵の玉子焼きをのせて食べると美味しいと聞いていたのにすっかり忘れていたことに気づいた。大変無念。
(この蝦仁飯やさんのすぐ斜め前に、牛肉湯で美味しい六千牛肉湯というお店がある。が、ここは早朝のみだそうなのでこの時は諦めた。)
これは蜷尾家(霜淇淋)の鉄観音ソフトクリーム。美味しい。
このお店のある正興街は、美味しそうなお店がたくさん並んでいて、この日も多くの若者がうろうろしていた。
明興商行という小さなお店でカラスミを買った。
台北でもちらほらお店をのぞいたことがあるけれど、このお店はたぶん安い気がする。
日本語がお上手なおじいちゃんが出てきて対応してくれて、ほっこりしました。
帰ってきてから食べたカラスミはねっとりしていて塩味がキツすぎず、上品なお味でした。
これは茶藝館・柳屋 十八卯茶屋。
1910年日本統治時代に設計・建設された「台南公会堂」の脇にあります。この台南公会堂もとても素敵な建物!
「十八卯茶屋」は、1929年に柳下勇三氏によって食堂として建てられれ、後に「柳屋」と呼ばれるようになったそうです。
今は有名チェーン店「奉茶」のオーナーによって行政から借り受けられ、営業しているそうな。
中の雰囲気もとっても素敵。地元っ子っぽい女の子が勉強していたり、謎のおじいちゃんが色んな席をあっちこっちしてはスマホを充電していたりとゆるくて温かい、落ち着く雰囲気です。
ただわたし達はあまりに中国語力がなかったため、お茶もお菓子も本当に意図していたものとは違うものを頼んでしまった……。
わたしは「餅」とついている単語を見て「あっもちもちしたものが食べれるのだな」と思って頼んだところクッキー煎餅みたいなものが大量に来てしまった……。
こういうのも旅の醍醐味です。
台南のホットスポットだという林百貨。(詳しくはこちらなど)
レトロな建物はとても可愛らしく、多くの観光客で賑わっていました。
ちょうど雷雨になってしまったため、屋上からの景色を味わえなかったのが少し心残り。
林百貨の近くにある超有名店、度小月の中正路本店にも行きました。度小月は台北にもたくさんあれど、食べたことは無し。
あまりにも有名なので逆にあまり期待していなかったのですが(ひねくれ者)、とても美味しかった……!
擔仔麺ももちろん、空芯菜炒めがめちゃめちゃ美味しかった。台湾、どこにいっても空芯菜炒めが美味しいけれど、なんだかやたら美味しく感じました。
あと擔仔麺にのせる煮玉子もここのはすごく美味しく感じた……ただ単に味が鬼のように染み込んでいたからかもしれないけれど。
肉燥飯も美味しかったな、肉味噌がおみやげとして売られるのも分かる、買わなかったけれど。
さて、信じられないかもしれないけれどまだ食べる。
小杜意麵の意麺。カップラーメンの発祥・元ネタという話もあるが本当だろうか。
あっさり目の混ぜそばという感じでとても美味しかった、あと魚丸湯も美味しかった。魚丸湯はどこにいっても美味しい。
さっきから「美味しい」しか書いていない、語彙力に乏しいから……。
ホテルに帰るついでに麗都大冰果でマンゴーかき氷を。
八代亜紀に似たおばちゃんがやさしく接客してくれた。マンゴーが新鮮でとても美味しい! すごい量! ただちょっと氷部分も多すぎるかな……。
実はこの旅、台北でもさんざんマンゴーかき氷を食べたけれど、栄えある一位は満場一致(二人しかいないけれど)で台北の「冰讃」に決まった。
冰讃はまずマンゴーの質が半端無く高い、信じられないくらい美味しい。シロップでごまかしていない、果物そのものの味が凄い。量も言うことなし。
そしてこのふわふわのキメの細かいミルクかき氷がおいしい、総じてマンゴーとかき氷部分のバランスが良くどちらも最高に美味しいのが素晴らしい。
最初2人で1つ頼んだのだけれど、結局おかわりした。あまりにも美味しくて。
ここのを食べると、別にパンナコッタとかアイスとか乗ってなくていい……ただマンゴーと氷だけ美味しければいい……みたいなマンゴーかき氷原理主義者みたいになりそう。なりかけている。
これでようやく一日目が終了です。
台南市内をガシガシ歩きまわってたので足が大変疲れました。
さて二日目、ホテルの朝食で食べた虱目魚肚粥(サバヒー粥)もとても美味しかった。
お店にも行こうと思ったけれど、今回は行けず。次台南に行ったら絶対にまた食べたい。
この日は市内中心部から少し離れた「安平街」に足を伸ばしました。さすがに歩ける距離ではなさそうで、タクシーを使った。
そしてまた食べる。
同記安平豆花の豆花。甘すぎず、さっぱりしたお豆腐のスイーツのようなもの。ハレの甘味、というより、日常にそっと馴染んだような優しい味でした。
台南中心部に戻って、赤崁樓をうろうろと見学。とても良い建物だった。
赤崁樓のすぐ横にある、赤崁擔仔麺でお昼を。お昼を、と言っても一日何食も食べているのでお昼なのかどうかもよくわからない。
こちらも美味しかったけれど、個人的には擔仔麺は度小月の味の方が好みかな。
でもここで食べた牡蠣のスープがとても美味しかった。牡蠣って日本だとどうも豪華な食材という感じがしてしまうけれど、台湾はこぶりな牡蠣をじゃんじゃん使う料理が充実していて楽しい。(台北で食べた、牡蠣と青菜の豆鼓炒めがとても美味しかった)
台南のちょっとした風景。台南に限らず、台湾ではとにかくスクーターの数が多い。一人で乗るだけでなく、カップルで、親子で、友達同士で、同僚同士で乗っている。
お母さんやお父さんがスクーターに小さい子どもをいっぱい乗せている風景はなんだかほのぼのする。
台南最古だという噂のお茶屋さんにも行った。
親切に色々な茶葉の香りを嗅がせてくれたお店のおねえさんは、日本で言うとどことなく「図書館の司書をしてそう」という雰囲気だった。
そしてこれが、台南で最も心に残った食事。府城牛肉湯の牛肉湯です。
とにかく暑い中歩きまわって、もうくたくただったところに辿り着いた食べ物なので、余計美味しく感じたのかもしれない。
でも、暑い中で食べる熱いスープがやたらと体に滲みた。
なんの変哲もない素朴な味、でもいくらでも食べれる、食べたい。
牛肉、結構いっぱい入ってます。そして牛燥飯のご飯をちょっとこのスープに漬けて食べるとお茶漬けみたいというか、つゆだくすぎる牛丼みたいというか、とにかくもう最高です。美味しすぎる。
牛肉と青菜の炒め物も美味しくないわけない。
ちなみにこのお店は夜しかやっていないようだった。
もう一つ、早朝しかやってない牛肉湯のお店にも行きたかったんだけれど、体力面で諦めました。
このお店の後、もう一つ蝦仁飯のお店に行ったのだけれど、ちょうどご飯が無くなってしまったそうで、フルーツジュースなどを手に入れつつ泣く泣くホテルに帰りました。
台湾のいいところはどこにでもジューススタンドやお茶スタンドがあるところ。暑いから本当に重宝します。
これは台北、たぶん文湖線のモノレール部分で、大安駅のホームかな。そう、台南から台北に帰ってきました。
台湾は、日本とは全然違う。全然違うんだけれど、それでもどうしても「昭和の続き」「日本には訪れなかったもう一つの平行世界」というような感情を強く抱きます。
古くて懐かしくて、でも新しくて、とても感傷的な気持ちになる。
次来る時には台中にも行けるといいな。他にもたくさん訪れたい場所がある。
台湾が、好きです。